賃貸における定期借家契約とは?どんな特徴があるのか解説します

作成日2020/3/5

「定期借家契約」って聞いてことありますか?
賃貸物件を探していると、たまに「定期借家」等と記載されている物件を見かけることもありますが、詳しい内容までは知らないという方がほとんどではないでしょうか。
賃貸契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があるのです。
普通借家契約は一般的な賃貸契約になります。
今回は、定期借家契約についてどんな特徴があるのか解説します。
本記事では、大阪で長年不動産営業を続けている現役のプロがわかりやすく解説します。


本記事の内容
定期借家契約とは
普通借家契約と定期借家契約の違い
定期借家契約の特長
定期借家契約のメリットやデメリットと注意点
定期借家契約のメリット
定期借家契約のデメリットと注意点
定期借家契約物件をおすすめできるのはこんな人


定期借家契約とは


定期借家契約とは当初定めた契約期間が終了したら、更新されることなく契約が終了するというものです。
実は、普通借家契約では、「貸主(大家さん)から正当な事由なく更新拒絶できない」のです。
その普通借家契約の問題を解消することを目的に平成12年3月1日に施行された「良質な賃貸住宅の供給の促進に関する特別措置法」で始まりました。

普通借家契約と定期借家契約の違い

まずは、普通借家契約について。
普通借家契約とは1年か2年の期間で構成されていて、お部屋を借りる方の保護の観点から当初設定した賃貸期間終了後、自動的に更新される契約です。
それでも、お部屋を借りている方からの解約の申し出があれば、契約は終了します。通常は1カ月前や2カ月前の解約が多いですね。解約予告については、契約書に必ず記載されています。
一方、定期借家契約では当初設定した契約期間が終了した後は更新されず、契約が終了します。
契約期間経過後も住み続けたい場合には再契約が必要ですが、再契約には大家さんとお部屋を借りている方、双方の合意が必要で合意があった場合は再契約となります。

定期借家契約の特長

定期借家契約には以下のような特徴もあります。
・公正証書等で契約する必要がある
・1年未満の契約が可能
・契約終了前に通知が必要
それぞれについて見ていきましょう。

公正証書等で契約する必要がある

定期借家契約では公正証書等で契約しなければなりません。
公正証書「等」のため、必ずしも公正証書である必要はないのですが、書面での契約が求められます。
なお、契約書とは別に「この賃貸借契約は更新がなく、期間の満了による終了する」旨の書面を作成、交付、説明する必要があります。
畏まった感じはしますが、一般的な普通借家契約でも契約書は、普通は交わすので、感覚的には同じですね。

1年未満の契約が可能

普通借家契約では1年未満の期間で契約期間を設定した場合、期間の定めのない契約となりますが、定期借家契約では1年未満の契約も可能です。

契約終了前に大家さんからの通知が必要

定期借家契約は契約期間の終了と共に契約が終了しますが、そのためには契約期間満了の1年前から6カ月前までの間に、大家さんから期間満了とともに契約期間が終了する旨を通知する必要があります。
契約期間が1年未満の場合にはこの通知は要りません。
また、期間経過後に通知した場合、通知から6カ月後から契約を終了することが可能です。

定期借家契約のメリットやデメリットと注意点


ここでは、お部屋を借りる方の視点から定期借家契約のメリット・デメリットを見ていきたいと思います。

定期借家契約のメリット

定期借家契約には以下のようなメリットがあります。
・相場より家賃が安いことがある
・1年未満の短期契約もある
・更新手続きがない
・希少な分譲マンションや戸建て賃貸の物件もよくみられる
それぞれについて見ていきましょう

相場より家賃が安いことがある

定期借家契約は基本的に大家さんの権利を保護するための契約のため、普通借家契約と比べて相場より安い賃料に設定されることがあります。

1年未満の短期契約もある

普通借家契約では1年間や2年間の契約期間を設定することが多く、1年未満の契約は期間の定めのない契約となりますが、定期借家契約では1年未満の短い期間でも契約可能となっています。

更新手続きがない

定期借家契約では5年以上の長期で契約期間が設定されることもあります。
通常、普通借家契約では1年や2年契約を更新していくことが多く、更新のたびに更新料や手続きなど求められることもありますが、長期の定期借家契約を結んだ場合は間に更新手続きは不要になります。

希少な分譲マンションや戸建て賃貸の物件もよくみられる

大家さん側からすると、「数カ月~数年後に出張から帰ってくるまでの間、家を貸しに出したい」といった需要が多く、このため分譲マンションや戸建てといった物件もよくみられます。


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定期借家契約のデメリットと注意点

定期借家契約には以下のような大きなデメリットがありますので、注意してください。
・お部屋を借りる方の一存だけでは再契約できない
・中途解約できない
定期借家契約では、基本的に契約時に決められた期間で終わる契約です。
仮にそのまま住み続けたいという希望を持ったとしても、大家さんの同意を得て再度契約を交わす必要があるのです。
また、中途解約についても原則不可能です。契約満了時までの家賃の支払いを止めることは出来ません。
ただし、定期借家契約では「床面積が200㎡未満の物件について、転勤や療養、親族の介護などその他やむをえない事情により、お部屋を借りる方が住み続けることが困難になったとき」のみお部屋を借りる方からの中途解約が可能となっています。
上記以外ではお部屋を借りる方からの中途解約は出来ないのです。
特に長期間での定期借家契約を締結する場合には注意が必要だといえるでしょう。

定期借家契約物件をおすすめできるのはこんな人


ここまで説明してきた定期借家契約の特徴から、お部屋を借りる方にとってメリットより契約するときに注意が必要なことばかりでした。ハッキリ言って敢えて定期借家の物件を契約したいとなる理由はあまりありません。
ですが、以下の目的を持った方なら、可能性はあるのではないでしょうか。
・希少な分譲マンションや戸建て賃貸狙いの人
・近い未来に物件購入を検討している人
一般的に多く流通しているのは、普通借家契約の物件です。
定期借家契約の物件で多いケースとしては分譲マンションや戸建て賃貸です。
どうせ住むなら分譲マンションなどのハイクオリティの部屋に住みたい、且つ長く住むつもりはなく期間が数年と定められていても、それまでに不動産の購入を考えれるつもりだから問題ない。こういう方ならピッタリとくるかもしれませんね。

賃貸における定期借家契約とは?【まとめ】


定期借家契約についてその特徴やメリット・デメリット、向いている人などお伝えしました。
定期借家契約は基本的に大家さん側のメリットの多い契約ですが、制度内容を理解しておけばお得に利用できることがあります。
本記事でご紹介した定期借家物件に向いている人の条件に当てはまる方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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