都市ガスとプロパンガスの違い|賃貸物件を選ぶ際には注意が必要です

作成日2020/5/9

生活に欠かせないエネルギーの一つであるガス。
大きくわけて「都市ガス」と「プロパンガス」があります。
都市インフラとして、その土地に整備されているものですから、個人で選択できるようなものではありません。
引っ越した後に「こっちのガスの方が良かった。」なんて思ってもダメですね。
本記事では、大阪で長年不動産営業を続けている現役のプロが「都市ガス」と「プロパンガス」の違いについてわかりやすく解説します!


「都市ガス」と「プロパンガス」の違い


都市ガスとプロパンガスは、同じく火力エネルギーの元ですが、原材料、性質、色々な部分で違いがあります。
まずはそれぞれの違いを知っておきましょう。


「都市ガス」と「プロパンガス」では原材料が違う

「都市ガス」の主成分はメタンと呼ばれるもので、天然ガスから作られます。
空気より軽いので、漏れ出た場合は天井等高い所に溜まります。
天然ガスは本来匂いが無い物なので、漏れた時に気付くことが出来る様に、特有の匂いをつけています。
有害な一酸化炭素がほとんど含まれていないので、クリーンエネルギーと呼ばれています。

「プロパンガス」は、名前の通りのプロパンやブタンが主成分で出来ています。
LPガスとも呼ばれています。
空気よりも重いので、漏れ出ると低いところに溜まります。
天然ガスと同じように無臭ですので、人工的に匂いを付けています。

「都市ガス」と「プロパンガス」では輸入国が違う

天然ガスの輸入国はオーストラリアやマレーシア、カタールなどの国です。
プロパンガスはカタールやアブダビ、クウェート、サウジアラビア等中東諸国から輸入しています。

「都市ガス」と「プロパンガス」では発熱量が違う

発熱量はプロパンガスの方が圧倒的に高いです。
プロパンガスは都市ガスの約2.18倍の発熱量があります。
しかしこれはあくまでもガスの性質の話です。
都市ガス対応の機器は、プロパンガスの機器よりガスの量が多く出る様に設計されていますので、
家庭で使用する際の火力にはほとんど差はありません。

「都市ガス」と「プロパンガス」では供給方法が違う

都市ガスもプロパンガスも生活に必要なエネルギーとして、各家庭に届くように整備されています。
ガスの供給方法は、コスト面でも大きく影響しています。

都市ガスは地中のガス管を通す

都市ガスはガス管を通して各家庭に届けられています。
このガス管は、上下水道と同じ様に地中を通っています。
地中にガス管を通すには地面を掘り返す工事が必要ですので、莫大な初期費用がかかっています。
ある程度の人口密度のある地域でないと、初期費用を回収することが出来ません。

プロパンガスはガスボンベをトラックで運ぶ

プロパンガスは液化したガスを容器に詰めたガスボンベを各家庭に配送します。
民家がある程度集まっていない地域では、都市ガスの設備は費用がかかるため整備されていません。
そのため各家庭にガスボンベの形でガスエネルギーを提供する形がとられています。

「都市ガス」と「プロパンガス」では料金が違う

都市ガスよりもプロパンガスの方が料金は高くなります。
一般的な家庭でおよそ1.6倍から2.0倍になると言われています。
これは、プロパンガス事業の中でガスボンベの配送業務にかかるコストが大きいためです。
他にもガスボンベの管理費用やガスの充てん作業の人件費等、
都市ガスではかからないコストが必要になっています。
都市ガスの料金は、以前は政府が関係した「規制料金」でしたが、現在は自由化されています。
工事等の手間無く自由にガス会社を変更することが出来ます。
賃貸住宅であってもガス会社を変更することが可能です。

プロパンガスはずっと昔から自由料金です。
賃貸住宅の中には、プロパンガスの保証料金が必要な物件があります。
また、プロパンガス販売会社を変えるには、大家さんの許可が必要です。
現実的には非常に難しいように思います。

ガスの種類に合わせて機器を選択


プロパンガスと都市ガスでは発熱量が大きく違います。
火力を確保するために都市ガス専用の機器は、ガスの出る量が多くなっています。
もし、都市ガス専用の機器にプロパンガスを流したら大変なことになってしまいそうです。
こういった理由で、プロパンガスと都市ガスの使用機器はわけられていますが、
部品を交換することで使用可能になる事があるようです。
「今使っているのは都市ガス専用の機器だけど、引っ越し先はプロパンガスの地域だ。」
こんな状況になっても、対応できる場合があります。
くわしくはガス会社に問い合わせてください。

都市ガスとプロパンガスの違い|賃貸物件の契約前に注意【まとめ】


引っ越し先の物件のガスは、都市ガスなのかプロパンガスなのか。これは極めて重要です。
ガスの種類でガス代が変わってくることをしっかり覚えておいてくださいね。
お部屋の家賃と水道光熱費を同時に想定して、無理の無いお部屋を見つけてください。

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この記事は、大阪府の賃貸事情を基に書いております。あしからず。
最後に私の超簡単すぎる自己紹介を^^
・大阪府育ちの40代の男です。現在も大阪府在住です。
・不動産歴は大阪府内で大手賃貸不動産会社を約10年。
現在は独立して大阪府で賃貸不動産の店舗を展開しております。
お部屋探しの際は、ホームメイトをよろしくお願いします^^
これからもホームメイトのサイトにこんな感じのラフな記事を書かせて頂こうと思いますので、よろしくお願いします。

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