賃貸でも気になる!新耐震基準と旧耐震基準って何? 

作成日2020/2/19

新耐震基準や旧耐震基準って聞いたことありますか?
聞いたことのない方は、賃貸を借りるにしても、家を買うにしても知っておいた方が良い知識ですので、参考にしてみて下さい。
日本は、地震大国と呼ばれる国です。人々にとって地震は大きな恐怖となっています。
現在、建築される全ての建物は建築基準法で定められた耐震基準を満たさなければなりません。耐震基準は、日本で起きた過去の大地震の歴史と密接に関係していて、法律も進化・改正し続けています。
今回は、建築基準法で定められている耐震基準のお話をしようと思います。
本記事では、大阪で長年不動産営業を続けている現役のプロがわかりやすく解説します。


本記事の内容
建築基準法で定められた耐震基準

・耐震基準とは
・耐震基準は進化・改正される
1981年(昭和56年)の転換期、新耐震基準へ
・旧耐震基準の終わりから新耐震基準の始まり
・旧耐震基準と新耐震基準の違い
・地震の規模
・旧耐震基準の物件はどうなる?
・耐震診断とは?義務?
1981年(昭和56年)新耐震基準以降の主な改正
・2000年の建築基準法改正、内容と背景
・2007年の建築基準法改正、内容と背景
耐震基準から見る、賃貸する時の注意
・賃貸のリノベーション物件に注意
・耐震補強工事が済んでいる場合も
賃貸でも気になる!新耐震基準と旧耐震基準【まとめ】

建築基準法で定められた耐震基準


今をさかのぼる事、数十年前の1950年に建築基準法が制定されました。
それまでは、市街地のみに適用されていた建築基準が日本全国すべての建物に耐震設計が義務付けられたのです。

耐震基準とは

耐震基準とは、建築物や土木構造物を設計する際に、それらの構造物が最低限度の耐震能力を持っていることを保証される基準です。
建築業者による手抜き工事や無茶な設計をさせない。国の基準で国民の生活を守るという趣旨の法律ですね。
耐震基準を満たさない物件は、国の許可が下りないため、建築は出来ないようになっています。 

耐震基準は進化・改正される

1950年に制定された建築基準法による耐震基準は、後に日本で起こる大地震の被害と共に進化・改定が繰り返されるていきます。それゆえ生きた法律と言われています。

1981年(昭和56年)の転換期、新耐震基準へ


皆さんが、賃貸契約をする際に不動産業者から必ず説明を受ける重要事項説明というものがあります。
簡単に言うと、物件の目に見えない箇所も含め、不動産業者は消費者に最低限説明しておかなければならない項目があり、その項目を国が指定している説明書です。
その重要事項説明書にも必ず記載されるのが、該当物件が旧耐震基準で建てられた建物かどうか、さらにそうであった場合、建物診断を行っているか。というものです。
旧耐震基準については、次に説明します。

旧耐震基準の終わりから新耐震基準の始まり

1950年に建築基準法で定められた耐震基準が正に旧耐震基準と呼ばれる基準値です。
耐震基準は、現在まで改正が行われていますが、1981年(昭和56年)に大きく改正されるのです。
1950年から1981年(昭和56年)までの基準が旧耐震基準と呼ばれ、1981年(昭和56年)以降は新耐震基準と呼ばれ、耐震基準がより厳しく設定されたのです。

旧耐震基準と新耐震基準の違い

旧耐震基準の国が定めた指標は、震度5程度の地震では即座に建物が崩壊しない事を想定されたものです。
新耐震基準の国が定めた指標は、震度5強程度ではほとんど損傷しない・軽いひび割れ程度でおさまること。さらに大きな地震、震度6強や7程度に対しても、建物の倒壊・崩壊しないこととされています。

地震の規模

過去に起きた大きな地震の例

・阪神淡路大震災 1995年1月17日 震度7
・新潟県中越地震 2004年10月23日 震度7
・東日本大震災 2011年3月11日 震度7
・関東大震災 1923年 震度6
・熊本地震 2016年 震度7

旧耐震基準の物件はどうなる?

旧耐震基準の物件は、現在も存在しています。
旧耐震だから、取り壊さないといけないという事ではないのです。現在も室内をリフォームしたり、耐震補強工事をしたり、はたまたそのまま存在したり様々です。
旧耐震基準の物件は現在でも活躍していますが、耐震診断をしている物件だと安心感は違いますね。

耐震診断とは?義務?

耐震診断とは、主に旧耐震基準で建てられている建築物の安全性を調査することです。
耐震診断を行い結果に応じて、耐震補強工事をすることを目的にしています。
全ての旧耐震基準物件ではありませんが、国がその耐震診断を義務付けている物件もあるのです。
それらの建築物とは、不特定多数が出入りするような建物、学校や体育館や映画館などの商業施設があたります。当然と言えば当然な気もしますね。
それでは、賃貸物件ではどうなるのかをご説明します。
賃貸物件にも義務に該当する建物があります。
3階建て以上かつ1000㎡を超える面積を持つ賃貸物件などがそれにあたります。
ですから、2階建てや平屋などの小規模の賃貸物件は、該当しないのです。
では、果たして義務ではない賃貸物件の大家さんが耐震診断を行っているのか?
答えは、耐震診断をされていない物件がほとんどの割合を占めるというのが現状でしょう。

1981年(昭和56年)新耐震基準以降の主な改正


大きな改正があった1981年(昭和56年)以降の主な改正について説明していきます。

2000年の建築基準法改正、内容と背景

内容
木造住宅における耐震基準の強化が行われています。
背景
1995年の阪神淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したことで新たな改正が行われました。

2007年の建築基準法改正、内容と背景

内容
建築確認や中間検査の厳格化。3階建て以上のマンションの中間検査の義務付けが行われました。
背景
構造計算書偽造問題(姉歯事件)設計事務所による構造計算書偽造問題が世間を賑わせ、それにより検査が厳格化されることとなりました。

耐震基準から見る、賃貸する時の注意


賃貸物件を選ぶ際に綺麗さやお家賃や立地など色々と検討されると思います。
選ばれる要素の中に旧耐震基準と新耐震基準の事も入れてみてはいかがでしょうか。

賃貸のリノベーション物件に注意

リノベーションされた賃貸物件は、古い建物を大改装しているケースがほとんどですね。室内だけみると、まるで新築と思えるほど見違えているでしょう。
築年数が古い物件を決定される時は、耐震基準の観点からも検討されることをおすすめします。

耐震補強工事が済んでいる場合も

旧耐震基準の賃貸物件でも耐震診断を行い、さらに耐震補強工事もされている物件もあります。
旧耐震基準の時代に建てられたからという理由だけで、選択肢から外さずに不動産会社の営業マンに確認を取ってもらうことをおすすめします。

賃貸でも気になる!新耐震基準と旧耐震基準【まとめ】


新築や築浅の賃貸物件を借りる際は、耐震の事はあまり気にしなくてもよいでしょう。
問題は、1981年(昭和56年)以前の物件ですね。
旧耐震基準と新耐震基準と分けられる改正がココで行われています。
旧耐震基準の場合は、耐震診断がされているのかどうか、さらに問題があれば耐震補強工事を行っているのかどうか。
賃貸物件の相場は、古ければ当然に費用面でお安くなります。安さを求めて古い賃貸物件を選ばれるのも一つの選択肢です。
ただ、リスクについてもご自身の判断です。耐震基準の理解はしておいた方が良いでしょう。

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この記事は、大阪府の賃貸事情を基に書いております。あしからず。
最後に私の超簡単すぎる自己紹介を^^
・大阪府育ちの40代の男です。現在も大阪府在住です。
・不動産歴は大阪府内で大手賃貸不動産会社を約10年。
現在は独立して大阪府で賃貸不動産の店舗を展開しております。
お部屋探しの際は、ホームメイトをよろしくお願いします^^
これからもホームメイトのサイトにこんな感じのラフな記事を書かせて頂こうと思いますので、よろしくお願いします。

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